天皇と稲作

 

お米は、現在の日本の食生活には欠かせないものになっています。
毎日食べるご飯だけでなく、お米はお酒、お酢、せんべい、もち、味噌の麹などに使われてます。米粉は、パンにもなりますね。
また近年は少なくなりましたが、米ぬかは美味しいぬか漬けにすることができます。

 

日本の発展は、稲作によって支えられてきたといっても過言ではありません。

 

こうした稲作を守るため、あまり知られていませんが皇居には天皇家の水田が作られております。

 

古事記によれば、皇祖である天照大御神が高天原で自ら育てた稲を、孫のニニギノミコトに与え天孫降臨の時に、ニニギノミコトが稲作を日本で伝えていたとあります。

 

この神話の通り、昭和天皇の時代に自らお田植え、稲刈りなどを始められました。
それに加え、現在の今上天皇は播種までやられるようになりました。

 

約300uほどの皇居の水田に、4月には苗代に種を蒔かれます。
5月下旬には、200株ほどの稲をお植えになられます。
さらに、皇族ご一家で粟や陸稲の種まきもやられます。

 

そして、皇居の圃場では農薬や除草剤は使用せず、昔ながらの自然に近い農法で行っています。収穫までは専門のスタッフがお世話をします。

 

さらに、天皇自ら鎌を片手にお稲刈りをされ、収穫したお米は神嘗祭や新嘗祭で神様に捧げられます。

 

君主が自ら土にまみれた仕事をすることは、あまり例がありません。諸外国の君主はする必要がないのです。

 

しかし、天皇にとって稲作は神話と直結する祈りになります。
天皇の役割は「祭祀」です。

 

それは「民安らかに」国民の安寧のために祈ること。ただこれだけなのです。
また、民のやっている仕事を自らが実践されることによって、その大変さも理解しようとしてくださってます。
これが国家元首である天皇が「祭祀王」と呼ばれるゆえんです。

 

明治時代に廃止されましたが、お食事の時には「さば」という行いがありました。これは、天皇陛下が毎食ごとに、天照大御神と対面し食事をお互いのお膳に分けて食べららるということです。
天皇には「わがしろしめす国に飢えた民が1人あっても申し訳ない」という思いからでした。

 

故三島由紀夫氏も『大統領とは世襲の一点において異なり、世俗的君主とは祭祀の一点において異なる』
と述べています。

 

稲作も、他のお仕事も国民の安寧のために行ってくれている。
これが125代続いた、世界最長の歴史のある天皇の存在のありがたさです。

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